青葉抄H21年

青葉抄  平成二十一年

海よりの神に宿貸す松飾
齢積み無病息災七種粥
寒雀声高に鳴く昼ひなか

濃淡を筆の乱れと墨の梅
朝告げる囀りの声に目を覚まし 
ぼんぼりに照らされ雛の頬ほのか

燕来て風のなき空真二つ
三月の風がするりと指を抜け
早桜その極まりを忘れ得ず

咲くまでを一年として花桜
儚くもひとひら浮かべ花の宴
巡り来る花満開の頃惜しむ

ながながと藤より垂れ玉の雨
谷間を空まで泳ぐ鯉幟
姿なく小雀くぐもる夏木立

蚕豆をピザにそのまま日本風
いつしかに朝とあけゆく四葩雨
アイスコーヒーストローを登り下り

半夏生過ぎてこころの雲晴れる
短冊を星の川へと願の糸
しとしとと雨の粒成す百日紅

水車まで金木犀の石畳
京都まで峠幾たび萩の宿
旅土産袋にどんぐりのベレー帽

月を待つ町屑々と草の雨
仙石原にて                              
山影をうつし一面花芒
晴雲に風ひとつ無く秋の蝶

青ざめてビル飄飄と冬の空                      
クリスマスソングにスキップ駅の前
小雪を過ぎ北の空青褪める

2016年12月24日 | カテゴリー :