青葉抄H20年

青葉抄  平成二十年

初御空どこからかする明日の声
紅白の巫女装束の破魔矢売る
冬波の随意に浮かぶ海千鳥

冬の星東京タワーの一点
小豆粥啜り昨日が遠ざかる
海鳥の鳴く待春の船かがり

トーストのこんがり焼けて春早し
白梅を惜しみ番の鳩の鳴く
吊り雛の伊豆の波音引き連れて

花の雲駅へとつなぐ路線バス
春うらら土手に名もなき花を見る
草藪の暗さ踏みしめ竹の秋

麦の秋波打つ空へ雲走る
しゃぼん玉とどかぬ空へ弾け飛ぶ
木橋降り水芭蕉へと心入る

昨日とは別の顔する梅雨晴間
六月の朝黒髪の絡み付く
鉄橋の低くなる土手夏の川

国はるか空へ棚引く青芒
葉に隠れ風の手枕葡萄の実
夕風のやさしく秋の星を待つ

陽は西へだらだら坂の秋はじめ
崩れ去る砂の城跡秋の海
朝夕の雲を追掛け虫合せ

防波堤かもめの声に秋高し
白富士に対し峠の初紅葉
辿り着く入江静かな秋の浜

珈琲と野菜のケーキ小六月
七五三誰もが吾身重ね見る
丘を越え銀杏黄葉の散る夕べ

果てしなく星の奏でる聖夜祭
終わりゆく日の輪を含む枯葎
読み札を残す一枚歌留多取り

2016年12月24日 | カテゴリー :