青葉抄H26年

青葉抄  平成二十六年

クリスマス明日へ見果てぬ夢探す
柚子湯して指で数える余す夜
鱈鍋の肉の締まれば北訛り

初春に濁世(じょくせ)を清め空晴れる
屠蘇袋静かに開けて邪気除ける
身を正し朝陽を迎え淑気満つ

早蕨の伸びて沢風におはよう
白梅の莟の声を日々記す
淡雪に消されてもこの道を歩く

カレンダー捲り八十八夜来る
紋白蝶せせらぎの音を陽と過り
頬白の影と光りを葉から葉へ

箱根路を登る新緑一号線
冷茶飲む古茶か新茶か二の次に
幼子の声軽やかに町みどり

棘のある一語かえされ白扇子
生ビールジョッキまで冷え宵の店
紫陽花の隣に停まるベビーカー

向日葵の空の天井雲が裂く
そうめんの水にさらりと風を呼ぶ
蝉鳴けば風が言の葉騒めかす

虫の声移りてつなぐ夕間暮れ
ビルとビル無機質な影夏終わる
朝顔と言えば絵日記戦後の子

十六夜のスーパームーン町の空
赤蜻蛉水面へ水輪池の空
母と子の林檎の皮を剥き比べ

目が覚めて夢か現か朝時雨
沈みゆく夕陽追掛け初紅葉
何話す訳でもなくて蜜柑剥く

冬はじめ解禁のボジョレー開ける
腕時計少し遅れて銀杏散る
寄せ鍋に進む晩酌宵の星

2016年12月24日 | カテゴリー :