青葉抄H19年

青葉抄  平成十九年

猩猩木おしゃべりしてる星の影
昇り来る旭へ屠蘇を酌み交わす
九十九里灯台までの旅始 

陽のあたる辺りを草の芽吹き出す  
微風が少し騒がす薄氷
天も地もすべてが桜草の色

石垣島三句                                  
星の砂靴の底より春の旅
白浜へ風の梢を黒揚羽
穏やかな春の渚の忘れ貝

桜散る散るを現の船出とし
バスケット片手に花のアーチへと
花筏岩の港を押し出され

藤棚の今日満開の花の際  
ガーベラとお茶とケーキと句集など
青春の歌口をつく夏隣

網戸より風が擦り抜け宵迫る
夏帽子町角の画廊へと去る
豪徳寺招福猫の六月尽

藪雨の声木洩れ陽の波間より
紺浴衣文庫に結び背に廻す
緑陰の小さなチャペル夢の国

蝉しぐれ何処も止まぬ空の下
川風に釣舟軋む月見草
流れ星去りゆく刻のかなたへと

富士五湖の風のやさしく秋ざくら
花束を天へと捧げ紫苑咲く
山すそのたて髪となる花芒

草の秋風のゆく方の定まらず
鶏頭の尾つぽにも似た新種あり
珈琲をカフェオレにして秋深む

音も無く風泣く空の枯木星
讃美歌と燭架の尽きる聖夜祭
貼りつめる心の節目白障子

2016年12月24日 | カテゴリー :