青葉抄H18年

青葉抄 平成十八年

海鳥の波と群れ飛ぶ今朝の春
風花の伊豆の峠へ舞ひ降りぬ
波白く寄せ来る浜の旅始

故郷の空悠然と青き踏む
鉢植えのミモザの花に土親し
春田分け道は浜へと果てるまで

ビルはるか花のベンチに雀来る
花屑の窪みに淀む石畳
風光る小川に少し波を寄せ

雪の下さやさや雨に咲く夕べ
ががんぼの引き戸へ潜り大暴れ
雨とぎれ紫陽花の色移りゆく

向日葵の笑顔溢れて天気雨
ビルの峰町はグレーに梅雨曇
夏の海貝殻細工夢の跡

山荘の屋根は三角星月夜
移り行く秋が小さな吐息はく
鬼灯の袋へ朝の風やさし

雨音がセンチなほどの花芒
鳳仙花こぼれるほどに散る月日
軒先へ山の風呼ぶ烏瓜

薄紅葉風と耀のシンフォニー
バリ島の旅二句
木の実食べリスがキョトンと島の朝
寺院へと夕陽の落ちるバリの秋

白鳥を迎え湖面の波静か
湖へ小舟帆を張る紅葉晴れ
解禁のボジョレー開けて冬に入る

水滴の跡よりのぞく冬の空
靴下を吊し聖夜を待ち侘びぬ
去年今年暦の先の鬼笑ふ

2016年12月24日 | カテゴリー :