2017今月の草花

5月  白詰草

幾年ぞいつも咲いてる白詰草

 

【たかんなの季節】

たかんなってご存知ですか。案外、知らない方も多いのではないでしょうか。たかんなとは「筍」「竹の子」のことなんです。普段よく使う言葉としては「筍」があります。勿論、「竹の子」と同じ読み方「たけのこ」ですね。これなら誰でも知っていますよね。
たかんなは、ちょうどゴールデンウイークを挟んだ初夏のころに美味しい食べ頃を迎えます。
皆さんが大好きなお料理に、筍飯がありますよね。他には筍の煮つけや炒め物、お刺身など、さまざまなアレンジがあると思いますが、甘く煮た筍を炊込む筍飯は、初夏のご馳走です。勿論、「筍飯」夏として俳句の季語にもなっています。
それでは、「たかんな」とはどうしてそう呼ぶのでしょうか。これはタケノコの古名と言われています。タカムナとも云うようです。
タカが「竹」タケでン(ム)がノでナが「菜」っ葉のナ、そこで「竹ノ菜」から「竹菜」「タカンナ」となったという説が有力であり、他にも諸説あるらしいのですが、日本古語大辞典では何となく語呂が良く合うので、「竹菜」から来たといわれているようです。
どことなく風情があって風流ですね。「たかんな」という古い呼び名は、この頃では俳句くらいしか使わないのかもしれません。
それでも小説など他に「たかんな」がどこかに出てこないかと探してみました。調べてみると案外ありましたので、いくつか上げてみましょう。
・・・「春時分は、筍が掘って見たい筍が掘って見たいと、御主人を驚かして、お惣菜にありつくのは誰さ。・・・泉鏡花「若菜のうち」
・・・これはたとえ味噌汁に茄子か筍の煮たのにせよ御膳立をして上げるのだから・・・。・・・幸田露伴「少年時代」
・・・私は春先の筍のような勢いでずんずん成長して来た次郎や、三郎や、それから末子をよく見て、時にはこれが自分の子供かと心に驚くことさえもある。・・・島崎藤村「嵐」
・・・日本はまるで筍のように一夜の中にずんずん伸びて行く。・・・徳富蘆花「謀叛論(草稿)」
などなど、意外に沢山使われていました。やはり、晩春から初夏の勢いが筍の土から這い出す勢いに例えられていて、そこに懐かしさがあるようですね。
たかんなは筍ですから、竹の芽です。竹は春先に葉が色付き秋のように見えるために、春の竹を「竹の秋」といいます。そうして、秋になると青い葉を新しく出すので「竹の春」とも言われています。春と秋が逆さまなんですね。
そして、その季節の狭間に筍が根から這い出して芽を出します。これがどんどん伸びる様は成長の例えにピッタリですね。
竹は風流で日本的です。竹林の奥には、よくお寺や神社など古い建物が多く見られますね。稲作が中心の日本語では、春と秋が逆転するなど、竹は一年間を通して面白く親しまれていて、しかも美しいものです。中でも初夏に食べるたかんなは、昔も今も、日本人の大好物となっていますね。