野ざらしを心に風のしむ身哉

【野ざらしを心に風のしむ身哉】
おはようございます。
俳句作家の上野貴子です。
とうとう花吹雪の季節になりました。
今年は気象庁の予想通りに花の見頃が長く
満開の頃に何度も花冷えがありました。


桜は、なんとなくいつの間にか
一片ずつぱらぱらと散るという花では無く
風向きが変わり強くなると
一気にパァ~っと吹雪のように
舞飛んで一斉に散ってしまうのです。
美しい桜の最後は
何とも潔く
華やかな散り方でしょうか。
どこか自然の摂理の刹那を感じますね。
こんな季節には人間は何か
人生の移り変わりを身に沁みて感じるものです。
そこで、今回は松尾芭蕉の旅の哲学でもある
有名な紀行文のひとつ
「野ざらし紀行」のお話を致しましょう。
野ざらし紀行と言えば、
芭蕉が四十一才で関西に旅をした紀行文です。
この旅の始まりは奥の細道が
春の桜の頃と言われるのに対して
この旅は秋に始まると記されています。
そして、この紀行文で最も有名な俳句が
タイトルに致しました
「野ざらしを心に風のしむ身哉」
というこの句です。ここから
芭蕉はこの紀行文を「野ざらし紀行」と名付けています。
奥の細道は東北への旅ですが
この野ざらし紀行は関西への旅です。
芭蕉は日本国中各地に旅をしていますね。
やはり
芭蕉は自らを旅の俳人と呼び
人生は旅のようなもので
ひとつ処に留まることを知らない
雲のようなものだと言っています。
また、この野ざらし紀行では
一所不住の人生観の上にある旅を
実際に体験することで
俳諧の新境地を探し求めていたようです。
売れっ子の芭蕉にとっては
私利私欲に押し流された江戸の宗匠としての暮らしが
どうも自分の俳諧を極めるためには
わずらわしいものだったようですね。
現実には、乞食のような野宿の旅では
無かったようで
「わび」の境地を求めていたようです。
心を野ざらしのようにして
すべてを無くしてこそ
新たな物が見えてくると
芭蕉は信じて旅を続けていたのでしょう。
現代では芭蕉が生きていた
江戸時代よりはるかに
尚の事難しい一種の悟りですね。
そんな芭蕉が切り開いた俳句で
彼方も人生の旅に出かけてみませんか。
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「おしゃべりHAIKUの会」上野貴子
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