2017今月の草花

9月  秋海棠

葉あいより目蓋を開く秋海棠

 

【萩の花】

萩と言えば秋の七草のひとつで、日本の秋を代表する花です。日本に古くから自生していたようですが、庭木としても良く見かけますね。とても風流な紫色の花が枝垂れて咲くところがいかにも秋らしく美しいです。
この萩の花は、秋の七草らしく読んで字のごとく「草冠」に「秋」とかきます。漢字では、正しく秋の花ですが、何故、その名前なのか、由来が気に掛かりますね。
この萩は、「生え木」からきたと言われています。「はえき」がいつの間にか「はぎ」となったようです。では、萩がなぜ生え木かと言うと、萩は、毎年古い株から沢山新しい芽をだし枝を伸ばして、葉や花を付ける木なのです。
秋の七草と言われますが、そこが少しややこしいところです。草花のように弱々しい枝垂れた花ですが、実は、案外と丈夫で草ではなく木なのです。そこで、毎年咲いては散り枯れてしまう草花よりも丈夫な古株から新しい芽を出すのです。
庭木にも多く植えられますので、草花のようですが、木であるために「生え木」と呼ばれていたのです。意外ですね。
萩が木だなんて思いもしないくらいでした。他に、例えば藤の花を見てみましょう。藤は枝垂れて咲きますが、枝は蔓状のもので、他の木に絡まり伸びてゆきますね。そこで藤棚が美しく好まれます。そうして見ると、だんだん解ってきましたね。なるほど、萩の花は枝から咲きます。その枝は弧をなして枝垂れていますが、根から生え出していて草のように細く弱いものではありません。しかも蔓ではありません。
そこで、地面から枝が生えているようでもあるという「生え木」な訳ですね。不思議なものです。秋の七草は今では桔梗を含みますが、昔は朝顔であったと言います。
朝顔は、秋になると蔓をのばして朝に花を咲かせます。ですから木ではないのですね。もしかしたら、この草と木の違いが、「お萩」という、お月見やお彼岸に供えるお菓子の呼び名となった訳かも知れません。
よく、つぶつぶの粒餡が「お萩」で秋の物。漉し餡が「牡丹餅」といい春のものと言います。昔は、あんこは小豆から作り貴重なご馳走でしたから、秋に美しく咲く萩の花を「お萩」と呼んでいたのでしょう、今のイメージでは、少しぼってりしていて不自然に感じますね。それでも粒餡の人気から「お萩」の方が好まれているようです。これは、生え木であるからかと思えば、庭木の萩のイメージで、少しこんもりと生える木に花がつぶつぶと可愛らしく咲く姿が目に浮かび、なるほど納得出来ますね。
面白いものです。そうだったのかと思うと、昔から秋の代表花であった萩の花の名前の由来には、やはりその花の特徴がいかされているものですね。