2017今月の草花

8月  合歓木

ねむの木の陰に朝風まどろんで

 

【藪入り】

八月は大人も子供も夏休みです。お盆を挟んで年に一度の大型連休をとる方や、この時期に帰省される方が多いものですね。
これは、藪入りの名残だということをご存知でしたか。藪入りという言葉は、今ではあまり聞きませんが、昔はお盆とお正月の行事の内でした。
「薮入り」とは、年に二回、お正月とお盆にあり、その昔は、住み込みの奉公人や嫁いできた嫁が実家へ帰る事ができる、唯一の休日のことだったのです。
お正月の1月16日とお盆の7月15日(旧暦8月)が、その「藪入り」の日にあたり、昔は奉公人に定休日などなく、嫁も実家に帰ることはままならなかったため、藪入りだけが、大手を振って家に帰ったり、遊びに出かけたりできる日だったのです。
この日が来るのを人々は楽しみにまっていたのですね。その後、時代は徐々に変化して、今では日曜日や定休日がある暮らしが当たり前ですが、年に二回の帰省の時期は、やっぱりこのお正月とお盆の頃が一番多いですね。
お正月は15日の小正月までは何かと忙しく休むことなどできませんでした。そしてお盆となると、十二日に草の市が立ちお供え物などを買いそろえて、十三日にご先祖様の霊を迎えます。そして、十五日には藪入りがあり、奉公人たちも親元のお墓参りをしたようです。十六日にはすぐに送り火ですから、お盆の藪入りは貴重な一日だったのですね。
嬉しいことが重なった時に「盆と正月が一緒に来たよう」といいますが、昔の奉公人には、この2つの薮入りは本当に楽しみだったに違いありません。
そして、この江戸時代の頃までの風習は、現代では大型連休となり、お正月とお盆の帰省ラッシュとなって根強く残っているのですね。
この頃ではあまり聞かないお盆の行事「藪入り」は、こういう意味がある言葉だったのです。情緒のある言葉です。
そして、面白いことに、この藪入りの日は地獄の蓋が開くと言われていたと言うのです。
何と不思議ですよね。どういう意味かというと、地獄の見張り番をしている鬼が、この日は霊が里帰りして地獄にもいないのでその見張り番の鬼もお休み。だから地獄の蓋が開いているというのです。仏教ではこの日を「閻魔の賽日」と言い伝えられていたようです。
これは意外ですね。珍しい話だと思いますが、どんな人でも「藪入り」には仕事が休めるという風習だったようです。
今ではほとんど使われていない言葉ですがその意味を調べてみるとこんな面白い風習が解りました。今でもお正月とお盆は、日本人の誰でもが楽しみな、大切な休日ですね。