「小さな芽」

小さな芽 作上野貴子(東京都区現代俳句協会35周年記念句集)

角出せば春がはじまる小さな芽

ものの芽にいつもこの後雨が降る

時々シャーペンの芯替える菜種梅雨

考えて考えあぐね蜃気楼

プリズムの中小走りにぺんぺん草

編みかけた草の冠白詰草

幼馴染みんな一緒でさくら草

隠れん坊いつしか忘れ春ショール

たんぽぽの丘まで届く浜の風

永遠と夜空へ記す花こぶし

咲けば散る人は花待ち友を待つ

姉のあと妹がはしる花の下

 

桜・2017

2017年の桜は東京では予想よりも3日早く咲き始めました。

その後は、あまりお天気の日が続かず「花冷え」「花の雨」「花曇り」といったところです。

それでは、これまでの「桜」の名句を鑑賞してみたいと思います。

どなたでもご存知の有名な句が多いですね。

●「花」を詠んだ名句

さまざまなこと思ひ出す桜かな      芭蕉

泣に来て花に隠るゝ思ひかな       蕪村

夕ざくらけふも昔に成にけり       一茶

ちるさくら海あをければ海へちる   高屋窓秋

まさをなる空よりしだれざくらかな  富安風生

花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ    杉田久女

山又山山桜又山桜         阿波野青畝

ざらざらと櫛にありけり花ぼこり  阿部みどり女

夜桜やうらわかき月本郷に      石田波郷

したたかに水をうちたる夕ざくら 久保田万太郎

夕桜あの家この家に琴鳴りて    中村草田男

花あれば西行の日とおもふべし    角川源義

なぜここにゐるがふしぎな花筵   能村登四郎

 

 

花と言えば桜

もうすぐ桜の季節がきます。

俳句では花と言えば「桜」を言います。

勿論、春の季語ですね。

今日は桜の俳句を探してみました。お花見の前の参考にされて下さい。

さまざまの事おもひ出す桜かな・・・・・松尾芭蕉

花に遠く桜に近しよしの川・・・・・与謝蕪村

散る桜残る桜も散る桜・・・・・良寛

さきみちてさくらあをざめゐたるかな・・・・・野澤節子

したゝかに水をうちたる夕ざくら・・・・・久保田万太郎

夜桜やうらわかき月本郷に・・・・・石田波郷

桜散る散るを現の船出とし・・・・・上野貴子

 

 

 

五行説

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季節の変り目ですが、自然にはさまざまな謎があり、その昔からいろいろな説があります。
例えば
中国の五行説とは、古代中国に端を発する自然哲学の思想。 万物は木・火・土・金・水の5種類の元素からなるという説。
西洋の四元素説とは、この世界の物質は、火・空気(もしくは風)・水・土の4つの元素から構成されるとする思想。

その他に
陰陽(いんよう)説とは、中国の思想に端を発し、森羅万象、宇宙のありとあらゆる事物をさまざまな観点から陰(いん)と陽(よう)の二つに分類する思想。

この陰陽説と五行説が一緒になり、陰陽五行説となり、仏教や儒教とともに日本に伝わり、そして、今の暦の元になったようです。

様々な考え方が今の日本の暦の元なんですね。こうした様々な思想や哲学の説が、二十四節気や七十二候となり、今でも根強くその影を残しています。十二支の干支なども複雑にこれらの考えが発展してきたものです。

自然は不思議ですね。